本記事は、UR-U(竹花貴騎さん主催)の授業「財務管理」セッションのアウトプットとして作成したものです。
授業内容を自分の言葉で整理し、PL(損益計算書)とBS(貸借対照表)の基本的な関係と重要性をまとめています。
はじめに:財務管理は「つまらないけど最重要科目」
竹花さんは動画冒頭で、「財務管理はつまらないけれど、最重要」と語っていました。
理由は明確で、この知識がないと会社経営も投資判断もできないからです。
どんなにマーケティングや営業が上手くても、BS(貸借対照表)を読めない経営者は失格。
財務を理解することは、ビジネスを正しく動かすための最低条件だと強調していました。
PLとBSの違い:会社の「毎月の成績表」と「一生の成績表」
| 指標 | 名称 | 内容 | 時間軸 |
|---|---|---|---|
| PL | 損益計算書 | 毎月・毎期の「成績表」 売上・経費・利益を示す | 一定期間(例:1か月、1年) |
| BS | 貸借対照表 | 会社の「一生の成績表」 資産・負債・純資産を示す | ある一時点の状態 |
PLは“短期の結果”を示し、BSは“長期の積み上げ”を示す。
竹花さんはこの関係を「毎月の通知表」と「人生の通信簿」に例えていました。
PLとBSの関係イメージ
┌──────────────┐
│ PL(損益計算書) │
│ 売上-費用=利益 │
│ ↓ │
│ 期間内の“成績表” │
└──────────────┘
↓(利益が積み上がる)
┌──────────────┐
│ BS(貸借対照表) │
│ 資産=負債+純資産 │
│ 会社の“全財産の地図” │
└──────────────┘
PLの利益は最終的にBSの「純資産」に積み上げられます。
この流れが企業の成長を示す「数字の循環」です。
BS(貸借対照表)の3つの要素
BSは次の3要素で構成されます。
資産 = 負債 + 純資産
| 要素 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 資産 | 会社が持つモノやお金 | 現金・在庫・設備・土地など |
| 負債 | 借りたお金や義務 | 借入金・買掛金など |
| 純資産 | 会社が本当に持っているお金 | 出資金・利益剰余金など |
「BSは“お金の調達と使い道”を表す地図」と竹花さんは表現しています。
貸借対照表の基本構造
┌──────────────────────────────┐
│ 貸借対照表(Balance Sheet) │
├──────────────┬──────────────┤
│ 資産(使い道) │ 負債・純資産(調達源) │
│────────────────────────│
│ 現金 │ 借入金(負債) │
│ 売掛金 │ 社債・未払金 │
│ 設備・土地・在庫など │ 出資金・利益剰余金 │
├──────────────┴──────────────┤
│ 資産合計 = 負債合計+純資産合計 │
└──────────────────────────────┘
資産の種類:流動資産と固定資産
資産は2種類に分かれます。
- 流動資産:1年以内に現金化できるもの(例:現金、売掛金、在庫)
- 固定資産:長期的に使用するもの(例:土地、建物、設備など)
「資産はスピードで区分する。現金化の早さがポイント」と竹花さん。
負債の種類:流動負債と固定負債
- 流動負債:1年以内に返す(例:買掛金、短期借入)
- 固定負債:1年以上かけて返す(例:長期借入、社債)
「返済期限の長さで区別するだけ。難しく考えない」と竹花さん。
資産・負債・純資産の関係
┌──────────────────────────────┐
│ 会社のお金の流れ(シンプル版) │
├──────────────┬──────────────┤
│ 資産(使うお金) │ 負債+純資産(集めたお金)│
│────────────────────────│
│ 現金・在庫・設備など │ 借入金・出資金・利益剰余金│
│ │ │
│ ←──2つの金額は常にイコール──→ │
└──────────────────────────────┘
業種による違い:IT企業と製造業の比較
| 業種 | 特徴 | 固定資産 | 流動比率の傾向 |
|---|---|---|---|
| IT企業 | パソコンとネット環境で完結 | 小さい | 高め |
| 製造業 | 工場・土地・車両などが必要 | 大きい | 低め |
「固定資産が少ない企業=軽いビジネスモデル」と竹花さん。
安定性を見る「流動比率」
流動比率 = (流動資産 ÷ 流動負債) × 100(%)
- 200%以上 → 非常に安定
- 150%程度 → 平均的
- 100%未満 → 支払い能力に不安あり
「流動比率が高いほど短期的な体力がある」と竹花さん。
流動比率の考え方
┌──────────────────────────┐
│ 流動資産100万円 ÷ 流動負債50万円 = 200% │
│ → 借金の2倍の現金を持つ=安定 │
│ │
│ 流動資産50万円 ÷ 流動負債100万円 = 50% │
│ → 支払い能力が不足=不安定 │
└──────────────────────────┘
財務管理の本質:数字で未来を読む力
「お金を貯めるだけでは意味がない。
どこに投資し、どう増やすかを理解するのが経営だ。」
PL・BS・CF(キャッシュフロー)を理解することで、企業の「現在」と「未来」を両方見通せるようになります。
まとめ:つまらないけど、人生を変える知識
- 財務管理は“退屈”だが“最重要”
- PLは短期の結果、BSは長期の履歴
- 資産・負債・純資産を理解すると企業の健康状態がわかる
- 数字を読める人は、経営も投資も強くなる
竹花さんの言葉で締めくくります。
「この知識でいくらでも稼げる。これこそが本当の自己投資だ。」
